「ズートピア」
ウオルト・ディズニー・アニメーションにより2016年に初公開された3Dアニメーション映画。
肉食動物と草食動物が共に暮らす「ズートピア」を舞台に、信じれば夢が叶うと思っている新米警察官のウサギと、夢は夢で終わると思っている詐欺師のキツネの2人が、連続行方不明事件を解決する中で人種差別や欺瞞といった人間界の社会問題を風刺している。
(あらすじ)
田舎町バニーバロウで育ったウサギのジュディは、警察官になることを夢見ていましたが、両親からはウサギの本職ではないと否定的でした。
しかしジュディは警察学校を首席で卒業し、ウサギで初めの警察官となりライオンのライオンハート市長によって中心部へ配属されます。
ジュディの所属課では肉食動物ばかりが行方不明になる事件の捜査を行っていましいたが、ジュディはウサギであるゆえに駐車違反の取り締まりを命じられます。
警察官らしい仕事をしたいと不満を感じていたジュディに、行方不明になった夫の捜査をしてほしいとカワウソのオッタートン婦人と、ネズミのベルヴェザー副市長が来署し、これを見たジュディは自分がその捜査をしたいと名乗りでます。
すると上司から48時間以内に解決できなければクビだと告げられます。
ジュディは駐車違反の取り締り中に見た詐欺師のニックなら、事情を知っているのはないかと捜査に協力させます。
最初はジュディに脅されて仕方なく捜査に力を貸したニックも、次第にジュディに心を開き、キツネとして差別を受けた幼少の記憶を語ります。
草食動物のジュディと肉食動物のニックが協力し行方不明事件の犯人の主犯を見つけ出し、次第に友情が芽生えたのですが・・・。
人間は大人になるにつれ、純粋さを失い、物事を斜めに見るようになると私は感じています。
幼いころは何事にも垣根がなく、全てを素直に受け止めていたものも、成長とともに知識が増え、変な偏見が生まれてきます。
「ウサギだから警察官になれない」「キツネだからと差別され友達にひどい目に遭った」
ズートピアの中で起こった事件の真犯人は「小さい動物、草食動物は馬鹿にされている」という種族の壁に怒り犯行に及んでいます。
これらはすべて差別問題です。
しかし幼い時はそんな偏見を抱いていたでしょうか。
まず抱くに至る知識すらありません。
大人から「〇〇だから」と言われてしつけられたり、挫折を味わうことにより、人種、宗教、文化の違いを知ることになるのです。
この「ズートピア」は、これらの人間社会の差別を動物を用いることで、その区分けがいかに馬鹿げているか、ということを教えてくれていると私は感じました。
ずる賢いキツネや、動作の遅いナマケモノ、いろんな個性の集合体が夢の国「ズートピア」
であると教えてくれた気がします。
子ども向けのようで、実は大人が見て、教えられることが多い作品です。